2012年1月発行。2012年大河ドラマ平清盛の放映に合わせて発行された一冊と思われる。
私のようにあまり頭がよろしくなく、かつ史学が専門では無い者にとっては幻冬舎新書の歴史関連の書籍は読みやすくありがたい。この本も文章が大変わかりやすく、どんどんん読み進めることができた。
高校教師の経歴を持つ作家による本。生徒の興味を引くような授業をなさっていたのかセンセーショナルな(下世話な)逸話が散りばめられている。つまり伝承の域を出ないエピソードと史実が区別なく語られている。日々の生活の息抜きにエンターテイメントとして楽しむ分には良いと思う。
目次
第1章 雅仁親王の誕生と保元の乱
第2章 平治の乱と後白河上皇の失脚
第3章 後白河院政復活と平清盛
第4章 清盛の死と平家の滅亡
第5章 偉大な暗主の最期
この本を読んで知ったこと
後白河法皇は長く院政を行った人だが、途中二条天皇の親政のがあり院政から退いていた時期もあることを知った。
親王時代は遊興に明け暮れ今様三昧、ゆえに父からは「即位の器量ではない」。そんな人が30年以上も院政を敷くのである。
当時の京都の人の視点からすると平治の乱以降の世の中の沙汰は全て崇徳上皇の祟りであるということらしい。
次に読みたい本
- 武士の王 平清盛
- 源平興亡三百年
まとめ
暗主と言われる人だが、この本そのものは後白河院に対して悪いイメージでは固めていない。市井の人と笑える暮らしを求めていたとしている(ゆえに暗主とされてしまうのかもしれないが)。
平清盛に関する話題も多く後白河法皇を語る上では欠かせない存在であるのかと思われる。終盤の一ノ谷・屋島・壇ノ浦の合戦についてはここまでページを割かなくても良かったのではと思う。