Twitterでお馴染みの田端氏の著書。私は田端氏と同い歳なので著者の意図する対象年齢ではないだろうが、Twitterで誰かがメルカリで投げ売りされているから、つべこべ言わず読めや!と煽っているのを見て、あっさり靡いて購入。2019年12月刊行なので、田端氏がサラリーマンを辞めてからの著書になる。
忖度や社内政治について書かれている。錚々たる経歴の方でも、泥臭いことをやってきたと安心する人もいれば、自分より若い人はビジネスパーソンの実態に失望してしまうかもしれない。でもそれが現実なのである。食っていくためにはしょうがない。そして、この本は実用書なので夢だけ見せても仕方がない。美辞麗句で固めずに現実を突きつけている。
社会人20年超の自分でも参考になることが散らばっている。特に8章、忙しい社会人生活では自分の専門以外の知識は追いづらいが、ビジネスパーソンとしてどんな知識を知っておくと良いかまとめられているので参考になると思う。
目次
【Chapter 1】「人並み」を目指すか、「プロ」を目指すか
【Chapter 2】「伝え方」次第で結果は180度変わる
【Chapter 3】「単純作業」に仕事の真髄がある
【Chapter 4】「根回し」抜きに大きな仕事はできない
【Chapter 5】「社交スキル」は一生モノの武器になる
【Chapter 6】「トラブル対応」は鮮やかに
【Chapter 7】「情報収集」がきみのオリジナリティをつくる
【Chapter 8】「経済・法律・歴史」はビジネス世界の共通言語
【Chapter 9】「働き方・キャリア」の最適解を導く
【Chapter 10】「パフォーマンス」をさらに高める
調べたいこと
会社法、マンキューの経済入門書、日銀貨幣博物館
次に読みたい本
福井健策氏による著作権入門書
具体的な紹介はなかったので新書で読みやすそうなものを選ぼうと思う。
まとめ
仕事をする上で、うすらぼんやりとわかっていることを明瞭に言語化してくれているという意味で対象読者となる新入社員でなくても役に立つところがたくさんある本だと思う。
その場に勢いとノリで荒波を渡ってきた就職氷河期世代は企業の教育・育成システムにを経験せずにこれまで来てしまっていることもあり少し常識が欠けていることもあると思う(自分のこと)ので、先入観なしに読んでみるといい。わかりやすい文章なので2時間程度で簡単に読める。うまく説明できないが、田端氏が経営者ではなくフリーランスの立場でこの本を書いていることにも意味があるのではと思う。経営者と会社員は人生のレイヤーが違ってしまうのだ。
なお、心身病むくらいなら会社は絶対に責任を取らないのでその会社はすぐに辞めたほうが良いとのこと。勤め人としての常識ではあるが敢えてこの本の感想にも付け加えておこう。
私のキャリアは田端氏の足元にも及ばない取るに足らないキャリアですが、同世代人として田端氏の考え方には共感できるものが多いです。